マイベスト小説の風と共に去りぬ、次世代にも次々世代にも色あせることなく語り継いでほしいと願いを込めて、読みたくなるようなレビューをがんばって書いてみます!
不思議なんだけど、現代日本ですら「風と共に去りぬ」の主人公スカーレット・オハラが持つ苦しみや自由への飛躍とその代償が…わかることがしばしば。
働く女性。
人生を、社会の風習の中にうずめず、自分の力で切り開きたい女性は、読んでほしい不朽の名作です。
>>違う作者による「風と共に去りぬ・続編」も面白かったです!
※作品のネタバレを含むのでご注意くださいね。
- 面白さ: (5 / 5)
- 読みやすさ: (3.5 / 5)
- 導入の引きこみ: (3.5 / 5)
- 読んだ後の満足感: (5 / 5)
- 読むのにかかった時間:400分(5冊で)
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風と共に去りぬ、登場人物一覧
たくさんいます、が、順番に作品を読んでいけば、忘れられない濃い人たちです!
- スカーレット・オハラ
:主人公。南北戦争時代の南部の上流階級に生まれた、南部きっての美人と名高い女性。
:17歳ですでに自分の美貌の持つ力を熟知しており、男性や周囲を意のままに操ろうとする支配欲の強い女性。
:意志が強く、頭がよく、自身に満ち溢れた女性。
:でありながら…女性はしとやかで男性を立てて、その陰でこっそりと家を守らなくてはならないという「南部の淑女の風習」に押し付けられ反発。
:南北戦争とその敗北を期に、風習に縛られることなく自由な生き方をすすめるが…愛する男性を見誤るという失敗ゆえに、人生を苦境に追いやってしまう…。 - レット・バトラー
:スカーレットの3番目の夫。
:南部の風習にとらわれない、ありのままのスカーレットの一番の理解者であり、心の底からスカーレットを愛する。
:「南部のはみ出し者」として、若いころから南部の風習にあらがって生き、スカーレットにも同様に自由に生きることを求める。
:大酒のみで豪胆な性格だが、反面繊細で傷つきやすく、頭がよくて機転が利く。
:南部戦争の期間中も敗北後も商売の腕を駆使して巨万の富を積み上げる大金持ち。 - メラニー・ウィルクス
:スカーレットの幼馴染で大人しく優しい女性。
:スカーレットの想い人のアシュレーとの結婚をしたということでスカーレットに心底嫌われるが、本人は全く気が付かず、スカーレットの強さをこよなく愛する。
:愛情深く細やかな気づかいのできる女性で、子どもが好き。
:もともと体が弱く繊細。 - アシュレー・ウィルクス
:スカーレットの幼馴染で、片思いの相手。
:スカーレットからの愛を拒絶し、いとこのメラニーと結婚。
:南部戦争の敗北をレットバトラーとアシュレーだけが見抜くも、敗戦し苦しい時代を生き延びる。
:南部貴族の上流階級の出身から、戦後の混乱期に誇りを見失いながら迷走…。 - インディア・ウィルクス
:アシュレーの妹で、兄に横恋慕するスカーレットを嫌う。
:戦争時期も敗戦後もアトランタのウィルクス家とともに生き、何かとスカーレットやレットバトラーと対立する考えを持つ。
:意志が強くレットバトラーに対峙してもひるまない勇気を持つ。 - ボニー・バトラー
:レットとスカーレットの子ども。
:愛らしく利発でわがままでとても美しい女の子。
:母親のスカーレットにすら疎まれるほど、レットバトラーの愛を独り占め。 - チャールズ・ハミルトン
:スカーレットの最初の夫。
:メラニーの兄。
:結婚後1週間で戦地に行き、病気で死亡。 - ウェード・ハミルトン
:チャールズとスカーレットの子ども。
:父親に似た心優しい男の子だが、敗戦後の青年期は貧困と苦労から這い上がるスカーレットにかえりみられず、寂しく過ごす。 - フランク・ケネディ
:スカーレットの2番目の夫。
:もとはスカーレットの妹のスエレンの婚約者だったが、実家の危機を救うためにスカーレットの策略により、スカーレットと結婚。
:結婚後は気の強いスカーレットに尻に敷かれ忍耐の日々…ひそかにスエレンを思い続ける。 - エラ・ケネディ
:フランクとスカーレットの娘。 - ジェラルド・オハラ
:スカーレットの父。タラの農園の長として一代で財を築き上げた人物。
:タラのために命を捧げ、「土地は裏切らない」と娘に言い聞かせる。
:敗戦後は妻エレンの死から気落ちし、抜け殻状態に…。
:アイルランドの農家出身。元は小作農をしていたいわゆる「下流階級」だった。 - エレン・ロビヤール・オハラ
:スカーレット・スエレン・キャリーンの母。
:南部の名家「ロビヤール家」の末娘だったが、ジェラルドオハラの求婚を受けた。
:南部の女性としては州でも最も敬われる人物だったが…その生き方を娘たちが受け継ぐことはなかった。 - スエレン・オハラ
:スカーレットの妹で仲が悪い。
:もともとモテる姉が気に入らなかったが、自分の婚約者のフランクケネディを奪われてからはますます偏屈に。
:ウィルベンテンと結婚してから、タラの主の夫人へとなっていく。 - キャリーン・オハラ
:スカーレットの末の妹。
:心優しく聖書をよく読む大人しく素直な娘。
:戦後家に流れ着いてきたウィルベンテンに思いを寄せられるが…俗世との縁を絶って修道院へ入ることを決意。 - ウィル・ベンテン
:南北戦争に負けた後、タラに流れ着いてきた南部の貧しい下流階級の男。
:戦争で足を悪くし、体が不自由に。
:家族がおらず、そのままタラに居つく。
:キャリーンに思いを寄せるが、ジェラルドの死後タラをまとめるために、スエレンと結婚を決意。
:タラを思う気持ちはスカーレットと変わらず、タラの主として末永くスカーレットと協力してくれる。
:頭がよく機転がきき、忍耐強く周囲をよく観察している。農夫としての腕も確か。 - マミー
:スカーレットののもう一人の母…エレンの忠実な黒人奴隷(原作の表現です)で、スカーレットたちの乳母で育ての親。
:スカーレットに対しては母としての愛であふれ、厳しい言葉を伝えられる数少ない人物。
:家じゅうのものから敬意を払われ、威厳も権力も持つ。
:エレン亡き後はスカーレットを女主人として守り、仕える。
:が…レットとスカーレットの愛娘ボニーの死後、気力をなくしてタラへと帰ってしまう。
風と共に去りぬ、あらすじネタバレ
時は1860年代…場所はジョージア州クレイトン群。タラという大きな綿花のプランテーションを営む父を持つ娘・スカーレット・オハラが主人公。
1~5巻のあらすじまとめを言うと…「風と共に去りぬ」とはスカーレットという美貌高き女性の17~26歳くらいまでの波乱の一生を描いた物語です。物語の最初から終盤まで、スカーレットが愛していたのはアシュレーという幼馴染の男性。17歳の時に出会ったレット・バトラーはずっとスカーレットに変わらぬ愛を捧げ続けるも、頑固で気の強い2人はぶつかってばかり。そこに南部の風習や南北戦争での敗北、女性の社会進出や人権問題が、時代背景として色濃く織り交ざり、物語に息を吹き込みます。
これが「史実」じゃないと信じられないくらいの完成度の高さ。19世紀のアメリカの歴史書…それも、戦争に勝った北軍ではなく、負けた南部の人の手による自書のように感じる、読み応えたっぷりのフィクションです。
1巻のあらすじネタバレ
- 16歳になったスカーレットオハラは「クレイトン群一の美女」とうたわれたオハラ家の長女。
- スカーレットの初恋の相手のアシュレーはメラニーと婚約&結婚。
- アシュレーに振られたスカーレットは、好きでもないメラニーの兄チャールズと結婚し、一児を出産。
- 戦死したチャールズの未亡人として、男と遊ぶことも許されない退屈な日々に辟易するスカーレット。
- アトランタのメラニーの家に行き、未亡人としてつまらない生活を送る。
- アシュレーへの告白と破局の一部始終を垣間見ていたレットバトラーと、アトランタで再会。
- レットバトラーからダンスを申し込まれ、貴婦人にあるまじき行為と知りながら、久々のダンスを踊り狂うスカーレット…。
16歳になったスカーレットは、想いを寄せるアシュレーウィルクスが、大人しく子どものようなメラニーウィルクスと婚約すると知って大ショック。
「クレイトン群一の美女」と名高いスカーレットは、自分の想いを打ち明けたら、アシュレーはメラニーとの婚約を破棄して、自分と結婚するに違いない!と考えます。
しかし思いを告げるも…破局!南部で1番モテるはずの自分が、淑女らしからぬ行為をしてまで思いを告げたのに…破局!ぶつけどころのない怒りが込み上げてきたスカーレットは、思わずその場にあった花瓶を壁に投げつけて叩き割る。スカーレットのその癇癪を陰で見ていたレット・バトラーは、南部の風習にとらわれないスカーレットの自由な魂に一目ぼれします。
結局スカーレットは憂さを晴らすために好きでもない男性に身を任せ、あっという間に未亡人になり、退屈な日々を過ごすことになります。元夫の妹のメラニーの家に仮住まいし、戦争を支える奉仕活動をします。「戦争なんてするからパーティーができない」とストレスをため続けます。
そんなスカーレットの鬱屈な気持ちを晴らしてくれたのはレットバトラー。慈善パーティーでダンスに誘い、ありのままのスカーレットであり続けるよう言います。
2巻のあらすじネタバレ
- 南部は北軍に負け始める。
- メラニーが妊娠。
- アトランタに北軍が攻め入ってくる中、メラニーの出産に立ち会うスカーレット。
- スカーレットたちを守ってくれたのはレットバトラー
- レットと分かれて、メラニーと生まれた赤ちゃんを連れてタラに帰るスカーレット。
- タラについた時、母は死に父の気はくるっていて、すべての寄る辺ない人たちの飢えと病気がすべてスカーレットの肩にかかってきた
南北戦争で、北部のヤンキーは勢力をもりかえし、南部は苦境に立たされていた…。
スカーレットは初恋のアシュレーに恋し続けますが、アシュレーの妻のメラニーの妊娠に落胆します…。
戦況は悪く、戦争はアトランタ市外にまで迫り、市民は次々と南へと逃げましたが、体の弱いメラニーの妊娠期は常に不調続きで、長旅も出来ず避難も出来ず…。
スカーレットとメラニーは前線の街アトランタに2人で取り残されます。そして町が砲撃に会った日に、メラニーは難産の末男の子を産み落とします。スカーレットは重症のメラニーと赤ん坊と黒人のメイドを連れて、命からがら逃げだします。
必死の思いで実家のタラに戻ってきたスカーレットが目にしたものは…焼けだされた綿花のプランテーションの畑と、気が狂った父親と、「母が死んだ」という知らせでした。
3巻のあらすじネタバレ
- 南北戦争に敗れた南部。敗戦後タラに帰ってきたアシュレーやウィルベンテンらと、何とかタラを立て直そうとするスカーレット。
- 貧困と略奪暴行・飢えに常にさいなまれ、かつて「南部の花」ともてはやされたスカーレット・オハラは見る影もなくなり、農作業で疲れ果てていた。
- タラの税金を払えず、抵当権を奪われそうになる。
- 税金を払うために、お金持ちのレット・バトラーの情婦になることを決意するスカーレット。
南部は負け、北部に支配されることになった。敗戦国として略奪や暴行・飢えを嫌というほど経験したスカーレット。
母は死に、父は気が狂い、長女の自分の肩に、メラニーと妹たちと子どもたちと、残った黒ん坊(原作の表現です)のマミーと下働きたちのお腹を満たさなくてはならなくなりました。
スカーレットは、南部上流階級きっての令嬢だった誇りを捨て、畑に出て食物を耕す日々…できたわずかな食料も、敗戦の中略奪者たちに根こそぎ奪い去られていき、家族はみな飢えていました。
家は抵当に入り、北部は南部の名家から財産を奪い、黒人たちに(原作の表現です)人権を与えたが、自由な市民権を使いこなすことのできない一部の黒人(原作の表現です)による、もと南部人への暴虐が頻回に起こるようになったのです。
戦争から戻ったアシュレーも経済的には全く助けにならず、スカーレットは家族のためにレットバトラーの情婦になることを決意。
しかし再開したバトラーは北軍警察に投獄されており、仕方なくたまたま会った妹の恋人フランクを誘惑し結婚します。
4巻のあらすじネタバレ
- 妹スエレンの婚約者フランク・ケネディと結婚して、タラの危機を乗り切るスカーレット。
- フランクのお店と製材所の商売に手を出し始めるスカーレットは、次第に南部の人々から爪はじきにされ始める。
- 街中では解放黒人たちが、白人の婦人相手に暴行事件を多発していた。
- 北部警察が黒人をとりしまらないため、南部の紳士たちが「クラン団」を結成し、婦人に暴行をした黒人を、闇討ちにする事件も相次いだ。
- 北部警察はクラン団を逮捕しようと躍起になっていた。
- スカーレットが製材所に行く途中で襲われる。
- スカーレットをおそった黒人を闇討ちにしようと、フランクやアシュレーがクラン団として暗躍するが、警察に見つかり銃殺されてフランクは死亡。アシュレーは重傷を負ってしまう。
妹、スエレンの婚約者であるフランク・ケネディを誘惑して結婚したスカーレットは、フランクのお金で無事にタラの税金を払い、人手に渡らせずに済みます。
フランクとの間に娘のエラをもうけたスカーレットは、やがてフランクのお店の仕事に興味を持ち、女性でありながら仕事に没頭するようになります。更にはフランクの製材所の経理を見直して、経営を改善させるために事業の手腕を振るいだすスカーレット。
南部の貴婦人にあるまじき行いに、アトランタの街の人はスカーレットと距離を置き始めるが、メラニーだけはかわらぬ愛でスカーレットのそばにたたずみ続けます。
仕事をして囚人を雇い利益を上げるスカーレットから、町の住民は離れていきます。アトランタの街中は解放された黒人(原作の表現です)による犯罪が横行しており、スカーレットも危うく命を落としかけました。
その事を知った夫のフランクを含めたキュー・クラックス・クラン団の団員たちは、スカーレットをおそった黒人(原作の表現です)を闇討ちしようと作戦を立てるが、その銃撃で夫は死亡…。
5巻のあらすじネタバレ
- 2番目の夫のフランクの葬式で、レット・バトラーから求婚される。
- レットと結婚してボニーという可愛い娘を授かるが、スカーレットの関心は相変わらずアシュレーに注がれていた。
- 商売と製材所を切り盛りするスカーレットに、もう一片の評判も残っておらず、町中の夫人からつまはじきにされていたが、メラニーだけは友だちでい続けてくれた。
- アシュレーとの不貞が町中のうわさになり、メラニーは信じなかったがレットは怒って家を出てしまう。
- スカーレットはレットとのケンカで階段から落ちて、お腹の子どもを流産してしまう。
- 更に、レットとの間に生まれた愛娘ボニーは落馬で早世してしまう。
- 流産が原因で、メラニーもまた、この世を去ってしまい絶望するスカーレット。
- アシュレーへの愛は幻想で、レットこそが真実の愛すべき人だと気が付いたが、時すでに遅し…レットは「愛が冷めた」と去ってしまう。
夫のフランクの葬式で、突然現れたレットバトラーはついにスカーレットにプロポーズします。
スカーレットは町中の婦人たちの反対を押し切ってレットバトラーと結婚。レットの財産によって贅沢な暮らしを始めます。
レットバトラーとの間にボニーという美しい娘を産み、レットはのめりこみます。しかしスカーレットはアシュレーへの想いを断ち切れず、そのため夫婦仲は崩壊寸前…。
そしてついに悲しい出来事があり、二人は離婚寸前…。
更に追い打ちをかけるように、スカーレットの身に不幸が舞い降ります。
この続きが気になる方は、風と共に去りぬの続編でお楽しみください。
読書感想文向けの感想アドバイス
- スカーレットのメラニーへの憎しみ
- レット・バトラーのひたむきで変わらぬ愛
- 南部の誇りと風習
- スカーレットのアシュレーへの愛
- 女性の仕事
- スカーレットが真実の愛に目覚め、敗れる…
1.スカーレットのメラニーへの憎しみ
1巻から5巻まで、スカーレットはメラニーに対して「愚鈍」「ばか」「子どものよう」「男にモテない」「枯れた女」と軽蔑した想いを抱き続けます。スカーレットの想い人アシュレーの妻としても、一人の女性としても、メラニーを軽蔑しては「怒鳴りつけたくなる」気持ちにしばしばなっているんです。
一方でメラニーは、スカーレットの勇敢さや大胆さ、あふれる生命力と強さに惹かれ続け、最初から最後までスカーレットを心底から信頼して愛しぬくんです。
この2人のすれ違いがなんとも悲しい…
敗戦後、タラに押し入ってきた北部軍の略奪からタラを守るために奮闘したスカーレットの側らには、常にメラニーの支えがあり、メラニーを嫌うスカーレットでさえ、しばしば「この人は必要な時には必ずいてくれるのだ」とメラニーの価値を認めずにはいられない場面があります。
また、タラに侵入してスカーレットに暴行しようとした略奪者を撃ち殺したとき、スカーレットに加勢しようと軍刀を持ってきた病身のメラニーの姿にも、読者として感動せずにはいられませんでした。
死ぬ間際でさえ、アシュレーとスカーレットの不貞をみじんも疑っていないメラニーの純粋さと、スカーレットへの信頼には涙がでます。
生きている間にこそ、メラニーと親愛で心を結ばれてほしかった…けどスカーレットは、メラニーが死ぬ時まで、自分がいかにメラニーを必要としていたか、わからないんですよね。
2.レット・バトラーのひたむきで変わらぬ愛
1巻から5巻まで、メラニーだけではなくレット・バトラーもまた、スカーレットに変わらぬ愛を注ぎ続けます。が、メラニーに比べるとこっちは皮肉屋で頑固で口が悪く性質も悪い。スカーレットと夫婦になってからは意地の張り合いで夫婦喧嘩ばかり。
読んでて胸が痛くなる夫婦喧嘩の連続に、胃が絞られる思いでしたよ…。お互いに心底では思い合っているからこそ、「何で意地をはっちゃうの~?」と悲しくなるんです。
ボニーの死によるレットの落ち込みもすさまじく、そのまま自死してしまうのでは?と怖かった。メラニーの説得でなんとか持ち直したものの、レットへの愛と思いやりを、スカーレットにこそ発揮してほしかった。
3.南部の誇りと風習
南部の貴婦人は小鳥のように物を少しだけついばみ、おしとやかに威厳をもって夫の陰にたたずむ…。南部貴婦人に課された鋳型は窮屈でスカーレットのような燃える想いを胸に秘めた女性には、本当に窮屈に思えました。
現代女性に通じるものがあり、突出する女への町中からの攻撃は、読者をスカーレットへの同情心へと結びつけます。
古い風習に縛られて新しいものを受け入れられない南部の婦人たちは、スカーレットには軽蔑されてるものの、ぼろを着ても誇りを捨てない貴婦人の姿は、美しく作品の中に映し出されます。そしてスカーレットの母エレンや、メラニーこそ南部貴婦人の鏡として、神格化されて書かれているのも印象的。
南北戦争という史実の中のストーリーだからこその臨場感ある作品の舞台が、「風と共に去りぬ」をいつまでもベストセラーに押し上げる所以ですよね。
4.スカーレットのアシュレーへの愛
アシュレーが求めたのはスカーレットへの「身体の欲望」だけ。スカーレットが求めたのは、アシュレーではなく自分の中のおとぎの国の空想に過ぎなかった。
ってだけのことで、1~5巻の間ずっと、苦しみ続けるスカーレットとアシュレーはこっけいです。そんなつまらない感情によって、メラニーの信頼をうらぎり、レットの心を裏切り続けていたと思うと…悔しいです。
5.女性の仕事
この作品のポイントは「愛」であり「南北戦争によって奪われた南部の精神」であり、そして「女性をはめる南部の鋳型」です。鋳型=いがた。女性はこうあるべきだって風習が本当に根強すぎて、そこからはみ出す自由意志を村八分にする人々に、何度もイライラします。
スカーレットのような商才に長けた女であっても、夫の陰にいなかったゆえに陰口にさらされ続けるのを見ると、「いいやん!」と言い返したくなる。
働く女性の立場が、現代日本でもやはり狭いのが現状。だからこそ、時代も国も超えてなお、「風と共に去りぬ」のスカーレットは働く女、戦う女の代名詞として現代作品にもしばしば登場するんだと思います。
6.スカーレットが真実の愛に目覚め、敗れる…
ラストでやっと…やっとレットへの愛に目覚めるスカーレット!「遅いよ!」って感じです。「もっとレットに優しくしてあげて」って、メラニーじゃなくて私も言いたい。あんなに愛してくれるのに、スカーレットがアシュレーへ操を立てて夫婦生活を断るなど、愚かなことをし過ぎなんです。
レットバトラーが可愛いそう…5巻は特に、胃を痛めながら読むことになりました。
風と共に去りぬ【漫画】
さいごにこんなこと言うのもなんですが…風と共に去りぬのあらすじを「パッと」知る一番の方法は、マンガを読むことですw原作に忠実な漫画が昔発売されていたのだけど、どの電子書籍でもマンガの方の「風と共に去りぬ」は見つからなかったので、良かったら中古書店で探してみてください。
全5巻で、古本屋とかでまとめ買いできるかもしれません。
この漫画…原作ファンの私からすると、映画版よりもよほど原作ストーリーに忠実で近い内容なので、原作の内容をさらうのにちょうどいいと思います。
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さいごに
今なお読み継がれる不朽の名作「風と共に去りぬ」のあらすじネタバレ、感想はいかがでしたか?
主人公スカーレットは見た目こそ美しく詳細もあるけど、正直すぎて愚かな人間として描かれています。
けどスカーレットのすばらしさは、どんなに苦しいことが起きても「寝よう。悪いことはみんな明日考えよう。明日には明日の風が吹くのだから」と言えること。
絶望の底から何度も何度も這い上がるヒロインを、愚かだとしても、好きにならずにいられない名作です。
辛いことは風と共に去り、明日は明日の風が吹く。
私たちも絶望の底から、何度でもそうして立ち上がる強さを、見習いたいですね。
さいごまで読んでくれてありがとうございました。
あ、最後の最後に原作の超ファンとして、これだけは言わせてください!
映画の風と共に去りぬは…キャストのみ素晴らしいけど、原作の意図をになった演技とは…言い難いです、あまりおすすめできませんTT