夏目漱石の坊ちゃん、読んだことないけど「ぱっとあらすじだけ知りたい!」って方のために、わかりやすくまとめました。
また、多分ここに来るなら、夏の読書感想文とか目当てかな~と思うので、
読書感想文向けの例文も紹介!
「へ~夏目漱石ってやっぱ面白い」と思える作品なので、興味持ったら読んでみてくださいね。
オチまでしっかり書いちゃてるので、ネタバレ嫌な方はご注意を!
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- 面白さ: (4.5 / 5)
- 読みやすさ: (4 / 5)
- 導入の引きこみ: (3.5 / 5)
- 読んだ後の満足感: (5 / 5)
- 読むのにかかった時間:70分
夏目漱石「坊ちゃん」の登場人物
- 坊ちゃん:主人公。正義感が強くて曲がったことが嫌い!東京から愛媛の松山に教師として赴任。
- 清:坊ちゃんの家の奉公人。両親からかえりみられなかった坊ちゃんの母であり姉である暖かい存在。
- 赤シャツ:中学校の校長で坊ちゃんの天敵。いつも赤いシャツを着ている陰湿な策士。正義感の強い坊ちゃんは彼の素行を無視できません。
- 山嵐:数学の教師で坊ちゃんの友だち。頑丈な体で一時は坊ちゃんと敵対するも、誤解が溶けて和解。
- 野だいこ:赤シャツの腰ぎんちゃくで、羽織を着た画学(絵描き)の教師。
- うらなり:気が弱く青白い英語教師。婚約者を赤シャツに奪われた上、転任させられる。
- 狸:松山の学校校長。色黒・うすいひげ・大きな目をした融通が利かない男。
- マドンナ:うらなりの婚約者だったけど、赤シャツに言い寄られる
坊ちゃんのあらすじネタバレ!
時代背景
時代は明治維新の直後。
日本は関東を中心に急速に近代化がすすみ、海外文化の流入が加速している時期でした。
坊ちゃんは東京で、その時代変化を目の当たりにしつつも、就職赴任先は愛媛の松山。
近代化の波が届かぬ田舎暮らしに不満を持ちつつも、教鞭を振るい始めます。
ストーリー全体を通してかもし出される、明治維新後の日本の変化と、それに対する人々の(坊ちゃんの)等身大の怒りや想い。
倒幕に対しての熱い思いを、ひとりの庶民として坊ちゃんもまた感じており、
政府だけでなく、見えない時代の流れにあらがうかのようにも見えるんですよね。
舞台は愛媛の松山
教師に就任した坊ちゃんは、務め先の学校で、ちょこちょこトラブルに見舞われます。
というのも、明治維新の改革などどこ吹く風。
田舎の小学校を仕切っているのは校長であり教頭。
教頭の持つ人事権は、反抗する教師をかんたんに首にしてしまうから、誰も逆らえません。
目に見えない縦社会の権力抑圧が存在し、正義や正論では太刀打ちできないんです。
けど坊ちゃんは正義感の塊。
真っ向から権力に立ち向かい、そして数々の悔しさをなめます。
坊ちゃんの生い立ちと清
坊ちゃんは子どもの頃から暴れん坊で無鉄砲。
両親の関心は兄だけで、坊ちゃんは不遇の子ども時代を過ごしました。
しかし家にいた下女の清(きよ)だけは坊ちゃんの味方。
没落貴族で坊ちゃんの家の下女になった清は、家族に疎まれる坊ちゃんをかばい、勇気づけ、愛情をこめて育てます。
大人になって教師になり、赴任してからも坊ちゃんは度々清を思い出します。
清の人の好さ。善人さが本物であり、自分に愛情を注いでくれたことに心から感謝をする描写があるんです。
関係ないけど、夏目漱石の奥さんの名は鏡子(きょうこ)だけど、本名はキヨ。
夏目漱石の他の作品『彼岸過迄』『門』にも、キヨは下女として度々登場します。
坊ちゃんの敵、赤シャツ
特に陰湿でヤナやつが教頭の赤シャツ。
人事権を振りかざして、教師同士をはめて憎しみ合うよう仕向けたり、他の教員の婚約者を横取りしたり好き放題。
物語後半には「黒幕は赤シャツだ」と坊ちゃんは完全に見抜き、赤シャツと直接対決することに。
教師としての坊ちゃんは?
教師としても全くうまくいかず。
生徒との信頼関係を結べず、いたずらをされては笑いものにされる日々。
宿直をしていたら、その部屋にイナゴを入れられたり、
天ぷらそばを食べていたら「天ぷら先生」とあだ名をつけられたりしました。
生徒たちの悪さを認めない態度にも、正義感強すぎる坊ちゃんは、いらだちを募らせます。
とにかく正々堂々が好きな気質なんですよね、坊ちゃんは。
赤シャツと野だいこ
教頭の赤シャツと、その腰ぎんちゃくの野だいこは、まるで中学生のような嫌がらせを坊ちゃんに繰り返します。
釣りに誘っても、生徒とうまくやれないことで、坊ちゃんを笑いものに。
2人とは最初から馬の合わない正義感の強い坊ちゃんは、2人に対してもいらだちを持ちます。
山嵐とは親友に?
坊ちゃんと同じ数学教師の山嵐。
最初はあれこれ面倒を見てくれる世話焼きの山嵐。
しかしあるとき赤シャツの陰謀で、坊ちゃんがアパートで乱暴行為をすると苦情を受けた山嵐。
苦情を真に受けて坊ちゃんをアパートから退去させ、坊ちゃんと一時期不信感を持ち合う仲に。
その後、山嵐はアパートでの乱暴行為が宿の主人の作り話だと知り、謝罪。
坊ちゃんの方も赤シャツの陰謀に気づき、2人は友情の絆で結ばれた!
婚約者をよこどりされた教師
学校には気の弱い教師がいます。坊ちゃんの付けたあだ名はうらなり。
アパートを追い出された坊ちゃんの住処を用意してくれるなど世話をしてくれたうらなり。
しかし、うらなりも赤シャツの陰謀で、もうすぐ学校を去ることに…。
うらなりには婚約者がいたものの、赤シャツが言葉巧みに婚約者を説き伏せ、なんとうらなりから奪ってしまったというのだ!
さらに邪魔になったうらなりは、赤シャツによって学校を追われることに。
人事権のある赤シャツのやり方は、卑劣で卑怯。
理不尽を許せない真っ直ぐな坊ちゃんは、赤シャツにとことん腹を立てます。
山嵐が処罰・転任に
そして、生徒が他校の生徒とけんかになったときに、そのケンカをうまく納めなかったからと、山嵐が責任を負わされることに。
他校に転任となった山嵐の処遇に不満の坊ちゃん。
敵は赤シャツに狙いを定めたので、もう迷うことはありません。
山嵐とタッグを組んで、赤シャツと野だいこが酔っ払ってふらついているところを狙い撃ち!
芸者遊び帰りの赤シャツは、やっつけられます。
山嵐も坊ちゃんも、その勢いで松山の学校を去ることに。
清の元へ
東京へ戻った坊ちゃんは、今度は教師でなく都電の技師として勤めることに。
ずーっと坊ちゃんを心配し続けた下女の清の元へ行き、一緒に暮らすことになります。
オチはどうなる?
坊ちゃんのオチは、赴任先の中学校を、持ち前の無鉄砲さで退職となり、自分を育ててくれた清(母と思ってる?)の元へ帰り、ともに暮らす。
清は翌二月に肺炎で亡くなるため、2人が一緒に暮らせたのは1年足らず?なのかな。
全体を通してみると、「坊ちゃんが坊ちゃんらしい務めせきでのごちゃごちゃ」のストーリーではなく、
「親がわりに坊ちゃんを育ててくれた清に対する、自分の生き方をつづった手紙」のようなイメージです。
中学校に務めている時にも清は度々手紙をくれるものの、坊ちゃんは介さず。
世間に出てわかったんですよね。
自分の「親譲りの無鉄砲さ」をしばしば許してくれた清こそ、自分の「居ていい場所」「居心地のいい場所」であり、安心できる居場所なのだと。
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坊ちゃんを映像化してる作品紹介
色々あるんですが、古い作品を見るのってちょっとしんどくないですか?アニメも然り。
ってわけで、おすすめの見やすくて面白いのを一個紹介!
二宮和也さん主演の坊ちゃんです!
この方はこの時代の無鉄砲な男性を演じるのが本当にお上手ですwww
めっちゃ等身大の坊ちゃんだし、現代バージョンだから色々と見やすさがあります。
読みたくない人におすすめ。
キャスト
- 坊ちゃん:二宮和也さん
- 清:宮本信子さん
- 赤シャツ:及川光博さん
- 山嵐:古田新太さん
- 野だいこ:八嶋智人さん
- うらなり:山本耕司
- 狸:岸部一徳さん
- マドンナ:松下奈緒さん
又吉さんが出てる(笑)
この作品の見どころの一つ。
又吉さんが出てますwww
坊ちゃんが下宿先で「夏目漱石に会う」ってシーンがあって、
その漱石役が又吉さんなんですよ(笑)
太宰の役もいつかきっと!
「坊ちゃん」の見どころは?
- 明治維新後の日本の庶民の暮らしがわかる
- 清への手紙?に思える
- 「親譲りの無鉄砲さ」が大人になってからも坊ちゃんの人生を動かす
明治維新後の日本の庶民の暮らしがわかる
坊ちゃゃんは時代背景が明治なんです。つまり、江戸の倒幕後の庶民の生活をリアルに描いた作品。
つまり坊ちゃんはフィクションの物語でありながら、倒幕後の庶民の暮らしをつづった歴史書にも見えるんです!
坂本龍馬とか西郷隆盛とか大久保利通とか、偉人の名前が先行する水面下で、庶民は明治維新をどのようにとらえていたか、垣間見ることができます。
清への手紙?
清が間違いなく、坊ちゃんのストーリーの要の人物。
- 親から関心を受けずに来た
- 親譲りの無鉄砲さが、坊ちゃんの人生を動かす
- 坊ちゃんを心配する清への手紙の返事を、書けずにいる
坊ちゃんは主人公としてすごく気持ちのいいヒーローです。
悪いものに「悪い!」といっちゃえる無鉄砲さがあって、ブラック企業とかで思うように言いたいことを言えない若者にもいいんじゃないかなって思う。
でも言っちゃうと、生徒からもバカにされイナゴの嫌がらせを受け、
告発しても面倒を嫌い体制派にもみけされ…の連続。
同じような正義感のある気質の山嵐がいたからこそよかったものの、そうじゃなければめっちゃ孤独ですよ。
結局赤シャツに制裁を下しても、首になって学校を去るのは坊ちゃんの方。
時代に。世間に。自分の弱さに。坊ちゃん自身が「やっつけられる」ような描写はないものの、悔しい思いは募ります。
ちょいちょい思い出す清に対して「俺はこんな風に生きているよ」と、メッセージをまとめたのが「坊ちゃん」って作品だと感じます。
清は夏目漱石の奥さんがモデル?
夏目漱石の奥さん「鏡子」で、本名がキヨ。
でも、坊ちゃんの清は、多分モデルは違う女性です。
夏目漱石の奥さんの鏡子って確か…ちょっと気性の荒いお方で、漱石さんも手を焼いていましたよね?
清は懐が広くて優しくて穏やかに描かれているので、夏目漱石の初恋の女性がモデルじゃないか?って説があります。
その漱石さんの初恋の女性が誰だか、知らないんですけどね、私w
坊ちゃんを読書感想文で書くときの例文
んじゃ、読書感想文頑張って書いてみましょう!書き出しだけ特別サービスで例文を紹介しますね。
中学生から高校生くらいかな。けっこう幅広く坊ちゃんは対象文庫として推奨されます!
僕は夏目漱石の坊ちゃんを初めて読みました。この本はもっと難しいと思っていたのに、簡単で読みやすくて驚きました。タイトルの坊ちゃんが主人公で、けんかっ早くて無鉄砲で、大人というよりは僕たちと同じような「人間」であると思い、親しみが持てました。「ぽかんとなぐる」という表現も、過激な暴力よりは、ドラえもんパンチみたいなアニメっぽいイメージが持ててよかったです。
僕は最初、坊ちゃんが「清とおうちを持つんだ」というので、清が若い女の人だと思っていました。けど、坊ちゃんが子どもの頃に清は大人だったので、「母親のような人なんだ」と途中で気が付きました。
僕がこの作品で一番好きなシーンは…
好きなシーン、悔しかったシーンを書き、「なぜ好きなのか?」「なぜ悔しい気持ちになったのか?」を書きましょう!
僕が「坊ちゃん」を読んでみて、最初に思ったのは「読みやすい!」ということです。夏目漱石なんて昔の人。お札になるくらい古い人なので、もっと難しい内容かと思っていました。けど坊ちゃんは読みやすくて、とんとん拍子で一気にラストまで読み切ることができました。読んだ後にもう一度読み返すと、最初と違った細かい坊ちゃんの感情が、より良く浮かび上がってきたんです。
坊ちゃんでまず面白かったのは時代背景。明治維新って言うと、「倒幕」とか「坂本龍馬」とか「新選組」とか、大河ドラマでやっているような有名な話は頭に浮かぶけど、その後日本がどうなったか、なんて全然知りませんでした。坊ちゃんは明治維新のあとの日本の話なので、東京の庶民の暮らしがこんなだったのかと、興味が持てました。
また、下女の清が、話の最初から最後まで「安心感」をもって見ることができました。清に対して子どもの頃は「気持ち悪い」と思っていた坊ちゃんが、電車に乗って清に別れを告げるときに泣きそうになる、と描写があって泣けました。愛媛に行って遠く離れてから「あれは自分の不器用で真っ直ぐな気質に対する、本物の愛情だったんだ」と気が付くところに感動しました。
僕がこの物語全体で一番好きなキャラは…
好きなキャラ、好きなシーン、印象的な場面を書き、「なぜそこが好きなのか?なぜそこが印象に残ったか?」の根拠を必ず書きましょう!
ほかにも中学生向けの読書感想文用の本などを紹介しているので、本選びの助けにしてください。
さいごに
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吾輩は猫である、よりも私は坊ちゃんが断然読みやすくておすすめです。
とんとん拍子で読める軽快さがあるんですよ。
読むのに根性がいらないというか(笑)
どんなにいい純文学作品であっても、読むのに根気がいる作品は…読むのに根気がいりますよねw
その点坊ちゃんは読みやすい!
読書感想文頑張ってくださいね。