奥田英朗【リバー】のあらすじと感想(ネタバレしすぎないよう書きました)

奥田英朗さんの【リバー】読みましたよ…。あぁ疲れたって感じです(笑)本屋で手に取った時からものすごい厚みで、「ようし読むぞ!」と意気込んだ本でした。大容量の火曜サスペンスを観終わったような満足感と共に読み終えましたので、今回も感想記事を書いていきますね!

ネタバレしすぎないよう気を付けますが、若干はネタバレすると思うので、まだ読んでない方、見たくない方はここまでにしてくださいね。

蓮

私は面白くない小説は、遠慮なく「面白くない」として記事に書きませんので、私が感想記事を書く小説は自信をもっておすすめできるものばかりです。

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蓮

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リバーの評価(わたしの)。
  • 面白さ:4 out of 5 stars (4 / 5)
  • 読みやすさ:3 out of 5 stars (3 / 5)
  • 導入の引きこみ:4 out of 5 stars (4 / 5)
  • 読んだ後の満足感:3.5 out of 5 stars (3.5 / 5)
  • 読むのにかかった時間:300分

奥田英朗「リバー」の簡単なあらすじ

川で女性が全裸の遺体で発見される事件が、栃木県と群馬県で2件起こりました。手口から言っても同一犯…。2つの県で合同捜査本部を作って、大掛かりな操作が行われますが、犯人は捕まりません。警察は無念ながらも捜査を断念。事件は未解決のままでした。

その10年後、再び、同じ手口で栃木と群馬の川で、全裸の女性の遺体が発見されます。10年前の事件捜査の担当刑事、被害者遺族、町の人は再びの犯行に凍り付きますが、今度こそ犯人が暴かれることを望みます…。

しかし挙がってきた3人の容疑者たちはいずれも曲者。確たる物的証拠を誰も挙げられないまま、事件は再び迷宮入りするのか…?

奥田英朗「リバー」の登場人物

  • 松岡芳邦(まつおかよしくに)…10年前に娘を殺害された父親。写真館の店主で、娘の事件解決のために10年間河川敷に訪れた人の写真を撮り続ける。執念深く犯人を追い求めるあまり、周囲からは敬遠され、やがて精神も発狂し始める…。
  • 滝本誠司(たきもとせいじ)…通称タキさん。元栃木県警の捜査官で、10年前の連続殺人犯を追っていた。定年退職したのちに、10年後の犯行を受けて捜査本部に協力をする。10年前に犯人と決めてかかった池田を執拗に追い続ける。
  • 吉田明菜(よしだあきな)…群馬県のスナックに勤めるママ。手癖の悪い母親のせいで人生に絶望しているが、店のもめごとを解決してくれた刈谷に甘い恋心を抱き、男女の仲となる。
  • 斎藤刑事…群馬県警の担当捜査官。
  • 千野今日子…週刊誌の女性記者。リバー事件を担当し、県警や被害者遺族、関係者のすべてとつながりを持つ。若いが冷静で根気強い。
  • 篠田…犯罪心理学の大学准教授。容疑者の多重人格を分析し、捜査の協力をする。変人。
  • 池田清…10年前のリバー事件の犯人と言われているが、証拠不十分で取り逃がした。滝本から執拗に追い詰められるが、サイコパス的に事件を楽しむ傾向にある。本心がつかみづらく、残虐な行為も平気で行う。
  • 平塚健太郎…事件の有力容疑者。県知事の息子で無職。取り調べ中に多重人格であることが判明し、篠田以外に心を開けないでいる。
  • 刈谷…トラックの運転手で期間工。10年前も現在も事件地域に来ており、大柄で無口で力持ち。育った環境が良くなかったため、他人に心を開かない。
蓮

リバーには、池田、平塚、刈谷の3人の容疑者がおり、その3人と周囲の人間と捜査班でストーリーは進みます。

奥田英朗「リバー」の感想

これからリバーを読む方にいいたいのは、「これだけ分厚い本なのだから、前半を我慢して読んだら、後半にはスラスラ読める盛り上がるか所が散りばめられているに違いない。と思うのは大間違いである。最初から最後まで、同じテンションでストーリーは続く」とお伝えしたいです。

私も前半は頑張っていつも通り、淡々と読み進め、後半になると一気に加速して進むはず!と期待していたものの、前半と同じように淡々と進んでいって、気がついたら終わってたって感じです。

途中に中だるみもなくずーっと7割くらいの面白さが最初から最後まで続く感じです。普通ならば、前半4割くらいの面白さ。後半10割の面白さ!って感じじゃないですか。奥田英朗さんの【リバー】は、ずーっと7割です。最初から最後まで、ずーっと7割のテンションです(笑)

ずーっと「ぎり読み進められるくらいの面白さ」が続くから、途中で断念することはないと思います。

一番残念なのは、作中に出てくるどのキャラにも、感情移入できないまま終わってしまったところです。男性がリバーを読めば、きっと捜査員などの目線で物語を楽しめるだろうと思います。

私は女性なので、千野記者か、スナックのママの明菜くらいしか投影できないのですが、2人ともうすらぼんやりで感情があまり書かれないので、なかなか物語に入り込めずに、常に外側から見続ける感じがしました。明菜はなかなか同情すべきポイントも多いのですが、最初から最後までリアル過ぎて浮き沈みのない人生で、好きになれる人柄じゃないんですよね。

唯一感情移入できたのは、娘を殺された父親の松岡です。

「頑張れ!」「めげずに犯人を追い続けて!」と途中までは応援するのですが、途中からこのおっちゃんの気が狂い始めるという…。「え…もう応援できない…」となってしまうんですw

しかも最大の残念ポイントは、犯人が暴かれるときの「どっかーん!」って感じの盛り上がりがないところです。「え?あ、やっぱそいつが犯人?あぁ、そういうことか…」と地味につじつまが合う感じで、失われたパズルのぴーすがドカンとハマる快感がないんです。それだけを期待して分厚い本を読み進めたのに…。

ただ、最後の最後に意外な犯行の謎は全て明らかになっており、これまた地味にしっくりくるという…。

実際の警察の毎日って、こんな感じで犯人逮捕の連続なんだろうなって思いました。

でもでも、ここまで文句を垂れながらも、「さすが」と言わざるを得ない面白さがあり、多くの人に読んでもらいたいと思うんですよ。

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