読書感想文・おすすめの本12選!小学生向け書き出し例文つき!
  • 読書感想文、おすすめの本は?
  • 読書感想文の書き方のコツは?
  • 小学生に向けた書き出しの例文も紹介!

毎年の子供の夏休みの宿題の中でも、たくさんの小学生が苦戦するのが「読書感想文」ですよね。

「どうやって書けばいいの?」

「どんな本を選べばいいの?」

子供の宿題を一緒に手伝う優しいパパママもためにも、読書感想文向けのおすすめの本紹介と、あらすじ紹介感想文の書き出し例文などを以下にお伝えしていきます。

※作品のネタバレを含むのでご注意くださいね。

>>中学生向けの読書感想文のおすすめ本はこちら

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読書感想文・おすすめの本と書き出し例文

小学校1年生から6年生まで一気に、「おすすめ本」「あらすじ紹介」「感想文の書き出し例文」をお伝えしていきます。

例文は1例に過ぎないので、丸写しにせず、ぜひ自分の書き方で試してみてくださいね!実際に本を読んだ私の感想も添えてあるので、参考にしてください。

各学年までのページ内移動は以下からご覧ください。

低学年(1~2年生)向けの本「100万回生きたねこ」

100万回生きた猫のあらすじ。

あるネコは色々な飼い主のもとで飼われ、100万回死んで、100万回生まれ変わっていた。飼い主のことを一度も好きじゃなかったネコは、自分のことだけが好きだった。あるとき野良猫に生まれ変わったネコは、白猫に恋をして子供をつくり、愛し合う。やがて白猫が年老いて死んでしまうと…。

著者:佐野洋子
1977年出版

読書感想文の書き出し例文。

①ぼくは「100万回いきたねこ」をよみました。主人公のねこは、100万回いきて、100万回死にました。ぼくはこの本をようちえんでよんだときは、いみがわかりませんでした。「どうして100万回死んだのに、またいきられたんだろう?」と思っていました。けど、この本をまたよんでみて、○○のところがとても悲しい(おもしろい)きもちになりました。……。

この後、自分のおもしろかったところ、気になったところと、その感想(おもしろかった、悲しかった、嬉しかったなど)を書いて、しめくくりは「この本を読む前とよんだあとで、変わった気持ち。」を書きます。

多くの人は「不老不死」を「いいこと」として考えていますよね。死ぬことがこわい人にとって、ずーっと生きられる100万回生きたねこを、最初はうらやましいと思うかもしれません。

しかし読み続けていくうちに、だれのことも好きにならずに100万回いき続けるねこに対し「かわいそう」「孤独だ」と感じるようになります。何度も死んで、何度も生き返ることは楽しいことでもうらやましいことでもないように思えるのです。

そしてさらに不思議なことに、ねこがついに死んでしまったときに、「よかった!」と感じるのです。誰かのことを好きになって、死んだほうが幸せだと思えるからです。

誰かのことを愛するからこそ、「死」という別れが悲しいのであり、たくさんの喜びや幸福、そして100万回泣くほどの悲しみを経験するからこそ、「生きる」ということを尊く感じられます。

100万回生まれ変わり、孤独の世界をループし続けるねこがやっと、愛することと幸福と悲しみを知り、命をまっとうすることができたとき、読者の誰もが「よかった」と心が温かくなるのです。

低学年(1~2年生)向けの本「あらしのよるに」

あらしのよるにのあらすじ。

ある嵐の夜に、偶然逃げ込んだ小屋で出会った「オオカミ」と「ヤギ」。暗闇なのでお互いの姿は見えず、会話をして仲良くなります。本来ならば「ヤギ」は「オオカミ」に食べられる運命…。嵐があけた後、2匹はどうなる…?

作:木村裕一
絵:あべ弘士

読書感想文の書き出し例文。

ぼくは、この「あらしのよるに」をアニメで見たことがあります。けど、本で読んだのは初めてでした。アニメがすごくおもしろかったから、本を読みたいと思いました。本は、アニメとはちがって、とちゅうで話しが終っていたのでびっくりしました。ぼくが一番面白いと感じたのは…

アニメの「あらしのよるに」では、この絵本の続編にまで触れられています。あらしのよるの一夜が明けた後、再会した2匹のストーリーがアニメ版。

あらしのよるのある小屋に逃げ込んだ2匹の動物が、暗闇の中の会話で親睦を深める内容です。会話がコミカルで、お互いの正体がばれそうになったときに偶然雷が鳴るなど、ぎりぎりばれないところも子どもが楽しんでくれるところ。

絵本では、「では明日、ここでまた会いましょう」と、お互いの正体を知らないままにわかれます。合言葉の「あらしのよるに」だけを絆として…。子供に限らず読んだ大人も、「次の日の待ち合わせのとき、どうなるだろう?」と続きが気になる形で終ります。「やっぱり食べられたかな?」「アニメのように、親友になれたらいいのに」

多くの人が「きっとヤギは食べられただろう…けどもしかすると?」と続きを想像することになるでしょう。別の生き物間の、種類をこえた友情を、ついつい期待してしまいますね。

低学年(1~2年生)向けの本「スーホの白い馬」

読書感想文の書き出し例文。

ボクは「スーホの白い馬」という、有名なおはなしをよみました。この本は、教科書にものっているお話しなので、本で読んでみたいと思ったからです。スーホの白い馬は、モンゴルという国のお話しで、モンゴルという国の、有名な楽器が出来るまでのお話しです。ボクがこのお話しで一番好きだったところは……

スーホの白い馬のあらすじ。

あるときスーホという少年が、ケガをしている白い子馬を拾い、大切に育てます。数年後に成長したスーホと白い馬は、領主様がひらいた「馬の競走大会」に出場し優勝しますが…。

1967年、モンゴル民話

このあと、自分の印象に残った箇所と、その感想を書きましょう。書き終わりの例文は以下の通り。書き出し以降は、自分の印象に残ったところを先生に紹介するつもりで書いていきましょう。

子供の頃に「スーホの白い馬」を読んだとき、ただのすごくかわいそうな話と思っていました。けど、この本が小学2年生当時の息子の国語の教科書にのっていたので、もう一度しっかりと読んでみて、ただのかわいそうな話しではないと感じました。スーホは白い馬と、心が通じ合っていたのだと思うからです。

馬頭琴という楽器名も、大人になった今でも「馬の頭蓋骨を使った楽器…名前がこわい」と思うのですが、それが作られた経緯や、現代に至るまでモンゴルで親しまれていることを考えると、やはり情緒深いものを感じます。

モンゴルというと、私たち日本の国技である大相撲で、モンゴル人力士が多く活躍しているために、なじみがありますよね。朝青龍や白鳳の生まれ育った国ということで、親しみを感じる人も多いのではないでしょうか。

低学年(1~2年生)向けの本「ぞうのエルマー」

像のエルマーのあらすじ。

灰色のぞうのむれの中、1匹だけ体がカラフルなぞうのエルマー。陽気な性格でいつもみんなを笑わせますが、ある日自分だけ体の色がちがうことを嫌になって、あることを始めます…。

読書感想文の書き出し例文。

ぼくはようちえんのころから「ぞうのエルマー」が大好きでした。エルマーの絵本は家にもようちえんにもあって、カラフルで、絵を見ているだけで楽しいからです。けど、今回またエルマーを読んでみて、絵だけじゃなく、文章もいいなと思いました。特に○○のところが…

デビッド・マッキーの「ぞうのエルマー」は、1980年代に最初に日本語に翻訳された、イギリスの絵本です。体の色が他の像と違い、目立つエルマー。陽気な性格が幸いして、姿が異質でも仲間から孤立しているわけでないのが救いです。

大人目線でこの本を見ると、どうしても、周囲に比べて一人だけ異質な容姿という理由で孤独を感じるのでは?と推測してしまいますが、そんな心配を吹き飛ばすほどのエルマーの明るさは、終始お話しを明るくしています。

小学3~4年生向け「ちいちゃんのかげおくり」

ちいちゃんのかげおくり。

お父さん、お母さん、お兄ちゃんとちいちゃん。家族みんなで手をつないで影を見つめ、そのまま視線を空に移すと…青い空にぼんやりと自分の白い影をみることができます。平和な時期に家族で楽しんだかげおくりも、戦争がはげしくなるとできなくなり、ちいちゃんも戦火にまきこまれることになります…。

読書感想文の書き出し例文。

ぼくはこの本をきょうかしょで読みました。最初はかげおくりが楽しそうだな、と思って読んでいたのだけど、戦争の話だと知ってからは読むのがつらくなりました。ぼくが特に辛いと感じたところは…

ちいちゃんのかげおくりは戦争の悲惨さを伝える物語として、何度も教科書に選ばれています。絵に描いたような平和な一家の素朴な遊び、「かげおくり」ですが、それすらも出来なくなるという戦争の悲壮さ。

そう、戦争になると空をゆっくり見上げることすら出来なくなるということを、戦争を知らない私たちは、ちいちゃんのかげおくりを読んで初めて知ることになるのです。そして大人になってこの本を読み返すと、ちいちゃんが本当はなぜ死んだのかが不透明なことに気が付きます。

前日まで「ほしいい」を食べているので、餓死ではない。「のどがとてもかわいた」と言っているので脱水も考えられるが、焼夷弾などが落ちた後ではあちこちで水道管が破裂して、小さい子供でも水を求めて歩けば何かしらの水分を口に入れることは出来そうです。

生きる気力がなくなった。だからちいちゃんはなくなったのでは?と思うと、小さな子供が生きる気力や希望を一瞬でなくしてしまう戦争の心底の恐ろしさを、改めて痛感します。

小学3~4年生向け「ごんぎつね」

ごんぎつねのあらすじ。

兵十という猟師が山でウナギをとっていると、ごんぎつねがいたずらにウナギを逃がしてしまいます。慌てふためく兵十をみて、ごんは大笑いするのだけど、そのウナギを食べれずに兵十のお父さんがなくなってしまったと聞き「悪いことをした…」と反省。ごんはその日から兵十の家にせっせと山菜をとって贈り物を続けますが…。

読書感想文の書き出し例文。

僕はごんぎつねを読んで、まず「ごん」がいいことをしたのに殺されてしまうのはかわいそうだと思いました。兵十はもし、ごんが恩返しをしていることを知ったら、殺さなかったのかどうかが気になります。僕がこのお話で一番心に残ったのは…

ごんぎつねは新美南吉の名作で、教科書にもくりかえし載せられます。

が、昔教科書で読んだときは、ごんぎつねの死で突然まくをおろされるストーリーに戸惑いました。

兵十に悪いことをしたから、なんとかつぐないをしたいと考えるごんぎつね。最初のいたずらも軽い気持ちでされているのに、結果として兵十の家族を亡くす結果になったことに、ちいさなキツネながら「罪悪感」を覚えたのでしょう。

そして不器用なつぐないの日々。

そのけなげなごんぎつねの想いに共感する読者は多いと思います。単純思考でありながら、憎めない「良心」をごんぎつねの中に感じるからです。

「またいたずらにきたか」と、ごんを見つけ次第即座に銃でうつ兵十の行動によって、読者もこれが小さな男の子の物語ではなく、「きつね」の物語であることを思い出します。

動物と人間の認識や心の違いを、ハッと気付かされるラストには、なんともいえない自然界との距離を感じる人も多いでしょう。

小学3~4年生向け「せかいいちうつくしいぼくの村」

せかいいちうつくしいぼくのむらのあらすじ。

少年ヤモは、お父さんとロバのポンパーと一緒に、生まれて初めて町へ、すももやさくらんぼを売りに行きました。ヤモの村では美味しい果物がたくさんとれ、町での売れ行きも評判もとてもよく、少年は自分の村をすばらしいと思うのですが…。

ポプラ社
作:小林豊

読書感想文の書き出し例文。

①ボクはこの本を図書館で見つけたとき、もっと小さい子向けの簡単なお話しだろうと思っていました。けど、「小学4年生コーナー」に置いてあったので、読書感想文の本に選びました。そして、読み始めてから「とてもむずかしいお話しだ」と思いました。理由は、戦争のお話しだったからです。…

②ボクは、教科書で読んだことのある「せかいいちうつくしいぼくの村」をもう一度読んでみたいと思い、読書感想文の本に選びました。教科書で読んだときは、もっと平和なお話しだと思っていたけど、本当は戦争のお話しだと知ってびっくりしました。ぼくがこの本で一番心に残ったのは○○のところです…

鮮やかで、ほのぼのとした田舎の風景や、数時間はなれた都会の市場など、絵をみているだけでも異国の風景を楽しむことの出来る絵本でした。お話しは全体的にのんびりと平和な雰囲気です。

主人公の少年ヤモの年齢も、明記されていないので「何歳だろう?」と想像がふくらみます。お父さんがヤモを街中で一人で売りに行かせているところを見ても、10歳前後ではないかと思われます。

せんそうに行った兄さんはきっと、17~8歳だったかもしれませんね。「兄がせんそうに行ったから、代わりにお父さんを手伝います」と、子供視点で書かれているところが切なくなります。

せんそうで足を失った人を見て、ふと、兄さんのことを思い出すところにも、胸をうたれます。

のどかで、時間の流れがゆっくりな田舎のお話と思っていた読者は、絵本の最後に打ちのめされるでしょう。

そう、最後に「せかいいちうつくしいぼくの村」は、せんそうによって破壊されてしまいます。子供は目を通すかわかりませんが、あとがきではアフガニスタンの実話を元にした絵本であることが知らされ、更なる現実感に打ちのめされます。

この絵本は小学4年生の国語の教科書にのっており、「絵本なのに4年生の教科書になぜ?簡単すぎないか?」と思っていたけど、せんそうという重い題材だからだとわかりました。

せんそうを知っている10歳前後の子供が、同世代のヤモに対してどのように感じるのか、興味深いですね。

小学3~4年生向け「注文の多い料理店」

注文の多い料理店。

森の中をお腹を空かせて歩く2人のおとこが、料理店を見つけます!「助かった!」「これでおなかを満たそう!」と意気揚々と店に入ると、中にはたくさんの扉と「看板」があり、看板には「服を脱ぐように」「靴を脱いでください」「体に味を付けてください」と指示文章が書かれています。最初は「注文の多い料理店だなぁ」とぶつぶつといいなりに従っている2人の男たちは、次第に「何を調理するのか?」がわかってきて…!

読書感想文の書き出し例文。

ぼくは宮沢けんじという作者さんが有名なので、この本を感想文のために選びました。ぼくはこの本を読む前には、「ものすごく人気で、行列のできるお店の話だろう」と思っていました。けど、読みはじめから全然ちがって、あっというまに終りまで読んでしまいました。ぼくが特に好きなかしょは○○のところです…

なにが始まるんだろう?なにが起きているんだろう?の疑問が、料理店の扉をあけるたびにどきどきわくわくと深まっていきます。そして次第に、なにが起きているのかわかってくるのに、肝心の主人公2人は全く気がついていないことが面白おかしく書かれています。

「おなかすいたね~」といいながら、扉のメッセージにしたがって服を脱いで貴重品を預け、体にクリームや調味料をつけていく2人の冒険者。自分たちこそが「料理である」ことに気がついたときには、こわくて扉を開けられなくなります。全体的にコミカルに書かれているため、わくわくどきどきのリズムであっという間に読み終わってしまうでしょう!

高学年(5~6年)向けの本「わたし小学生まじょ(女の子)」

わたし小学生まじょ。

まじょの家に生まれたリリコは、小学校入学の6歳になったときに、おばあちゃんから古いまじょのほうきをプレゼントされる。だが、まじょのことは誰にも話してはいけないというしきたりがあり 、小学校のだれにも話せずにいるのだが…

読書感想文の書き出し例文。

わたしはこの本の表紙をみたときに、ジブリの「魔女の宅急便」のようなお話しだと思っていました。読んでみたら、内容はすごく似ていたけど、ちがうところもありました。まじょのリリコは6歳で、私たちと同じように普通の世界の小学校に通っているところが、まずちがうと思いました。私がこの本を読んで、一番いんしょうに残ったところは…

魔女の宅急便のキキを思い出させる主人公のリリコ。この類似だけでも、活字嫌いの小学生であっても、比較的スムーズに手にとって読み進めることが出来るのではと思います。まじょの家のしきたりで、小学校に通い始めるも、まじょであるというヒミツを守らなくてはならないというところに、小さなリリコの胸に葛藤が生まれます。

ほうきで飛んでいるところを偶然目撃した、いじわる男子ケイくんに対しても、「リリコが本当のことを言わないから、ケイくんが『うそつき』と言われてしまうのでは?」と、幼いのに驚くほどの思いやりの心を持っています。

リリコが心優しい女の子であることから、物語り全体がほのぼのと優しくすすんでいく。また、最後に親友に魔女であることを打ち明けたときも、すんなりと受け入れてくれる親友の女の子の心の広さも、癒されるポイントです。

高学年(5~6年)向けの本「シートン動物記『オオカミ王ロボ』」

オオカミ王ロボのあらすじ。

人間をはるかに上回る頭のいいオオカミ。その中でも他に類を見ないほどの研ぎ澄まされた頭脳をもつ「オオカミ王ロボ」は、わずか4頭の群れでありながらも、周囲に住む人間の牧場に壊滅的な被害を与え続けていた。かつてないほどの高額の懸賞金をかけられ、多くのハンターがロボをつかまえようとしたが、狡猾な毒わなにもまったく捕まらず…

読書感想文の書き出し例文。

ぼくがこの本を選んだのは、「オオカミ王ロボ」という名前がかっこうよかったからです!ロボは人間の飼っている羊や牛を食べたり殺したりするけど、とてもかっこいいと思いました。最初は困った動物だと思っていたのに、読んでいくうちに、人間のほうが悪者のように感じられました。ロボの一番好きなところは…。

自然界に生息する動物の「絶滅危惧種」などの問題の火付け役になった本ではないかと思われます。作者のシートンは、今でこそ動物学者として有名ですが、成人に達してからも画家という職業に就くなど、動物博士として一本立ちするまでには時間と苦労がかかっています。

シートン本人の自然界の生物に対する思い入れや愛情が、「シートン動物記」全体の作品に表れています。経験談として書かれている「オオカミ王ロボ」も、単なる動物記ではありません。「ロボ」が感動のストーリーとして時代を超えて根強い人気を誇っているのは、自然界に生きる生命そのものの崇高さが、如実に文間に表われているからではないでしょうか。

オオカミはもともと日本でも、「大神」や「狼(けものへんに良いと書く)」と、親しまれてきた生き物です。狼は、人間の畑を食い荒らすいのししなどの害獣を食べてくれる生き物として、日本では重宝されてきました。

1905年に奈良県でつかまった狼を最後に、日本の狼は絶滅したといわれています。日本でのオオカミ人気はもともと高く、頭の良さやパートナーへの愛情、そしてこびることない孤高のプライドを感じさせる一面が、好印象の由縁と思われます。

「オオカミ王ロボ」に対しても、「ロボを殺す人間は最低だ!」「ブランカの死体をおとりに使うなんて、やり方が汚い!」「ロボの、ブランカへの愛情を利用してつかまえるなんて!」と非難の声が多数あります。

しかし現地に住む人間にとっては、遊びで羊を殺し続けるオオカミは、生活を脅かす存在。それぞれの生きるために仕方のないことであったのだと、大人は納得することが出来ますよね。

「生きるために、ロボを殺すのはしかたがないこと」という理屈を、小学校高学年が納得することが出来るかどうか、読書感想文の出来に期待したいポイントでもあります。あとがきに書いてありますが、ロボの捕獲に成功したシートンは、ロボ以降「二度とオオカミを殺さない」と誓いを立て、サインの横にはオオカミの手形判を押しています。シートンとロボの頭脳合戦は、人間とオオカミという種類を超えた、男と男の真剣勝負であったと、物語を読んで感じることが出来ます。

高学年(5~6年)向けの本「シートン動物記・灰色グマ・ワーブの一生」

シートン動物記、灰色ぐまワーブのあらすじ。

灰色ぐまワーブが、子熊の頃から成長して山を仕切るほどのボスになり、その後パワー争いになっていくクマの一生のストーリーです。

読書感想文の書き出し例文。

ぼくは動物が大好きなので、シートン動物記を読書感想文の本に選びました。理由は、ウサギとかよりもくまの方が強くて大きくてかっこいいからです。この本を選んだときは、暴れん坊のクマが人を困らせるものだと思っていました。けど、読んでいるうちに、「クマがんばれ!ワーブかっこいい!」という気持ちになってきました。ぼくがワーブの特に好きだったところは…

上述作品の「オオカミ王ロボに引き続き、シートン動物記第2弾です。シートンは動物のことをとてもよく知っているために、動物のもつ「気持ち」や「想い」を汲み取ることがとても上手です。動物が何を思って行動しているのか、その動きの一つ一つにどんな意味があるのかを知ることで、読み手の子供にも、動物を本当の意味で理解することが出来るようになるのです。

今までは「狼こわい」「クマはこわい、死んだふりする?」くらいの遠い世界の動物たちが、シートン動物記を読むことでとたんに身近で、親しみのある存在になるから不思議です。そして何よりも、ロボもワーブも、その地域の長として周りを治める生き物の持つ孤高の誇りは、読み手の人間さえも敬服してしまうほどの支配力を持つと感じます。

現代の文明の中にどっぷりと使って、作られた安全の中に生きる人間さえも、大昔の身を危険にさらし、5感全てを研ぎ澄まして野性の中に生きてきた時代の血が騒ぐからかもしれませんね。物語の終盤に、ついに年老いたワーブが新しい支配者のクマになわばりを奪われるところで、読み手はいつしかワーブに心から同情しているのではないでしょうか。

高学年(5~6年)向けの本「幸福の王子」

幸福の王子のあらすじ。

ある町にたつ、立派な金の王子の彫像が主人公。高台に立つ王子の目には、貧困に苦しむ町の人が写る。世の無常に心を痛める心優しき王子は、自分の瞳の宝石や、体の金メッキをはがして、貧しい人たちに分け与えるよう、ツバメに伝えます。渡り鳥であるツバメは、せっせと王子と町の人々の間を行き来しては、はだかの銅めっきになっていく王子に、次第に惹かれはじめ…。

読書感想文の書き出し例文。

ぼくはこの本のタイトルを見たとき、「きっと楽しいお話だろう!」 と思って選びました。オスカーワイルドという作者さんも、聞いたことのある名前でした。けど、読んでいくうちにかわいそうな人がたくさん出てきて、かわいそうな話であると気がつきました。読み進めるたびに、「いったいどこが『幸福』なんだろう」と思うようになりました。特にこのお話しの○○の部分が…

オスカーワイルドの独特の世界観に、始終、楽しい気持ちにはならないお話です。暗くすすんでいくのに、「この先どうなるのだろう?」という連続で、ぺらぺらとページをめくってしまうのです。貧しい町の人の暮らしに心を痛め、自分の金メッキや目の宝石を次々と人々に分け与える「幸福の王子」と、王子のそばにい続けて、仲間の旅立ちを見送ってしまうツバメ。

世界の一部である富裕層が、貧しい人たちに対して幸福の王子のように、惜しみなく分け与える世界であったなら、と願わずにいられない作品です。装飾品をすべて人に分け与えて、はだかになる王子と、その傍らに横たわるツバメ。一見するとみじめな結末ですが、2人の心が温まり、さらに、人々の暮らしも少しだけよくなることが、読む人の心も温めます。オスカーワイルドの描くシュールな世界観に、子どもがどのような感想を持つのか、個人的には興味深々です。

高学年(5~6年)向けの本「星の王子様」

星の王子様のあらすじ。

飛行機が故障して、砂漠に不時着した主人公(おそらく、サンテクジュペリ)。飛行機の修理道具もままならないばかりか、生命の危機も感じる広大な砂漠。さまよっていると、一人の子どもに出会う。王子の格好をした小さな男の子は、主人公の後をついてきて、不思議な星間の旅について語り始める。最初は王子をいぶかしんでいる主人公も、次第に純粋で素朴な小さな存在に、心惹かれていきます。

読書感想文の書き出し例文。

有名なお話で、絵を何度か見たことのある本でした。「星の王子様」というから、地球じゃない、どこかの星の王子様のお話だと思っていたら、本当にその通りでした。僕は王子の話す、●番目の星のお話が、一番面白くて好きでした。理由は…。

世界的に有名な、フランスのサンテク・ジュペリ作の本。絵本…というにはあまりにも奥が深い。大人が読んでも感想を書きにくい作品でありながら、絵本のように簡単な文体で文字数も少なく、すらすらと読めてしまいます。

子供心に、「これは、ただの絵本ではない。表面のストーリーの下に、何か大切なことを伝えようとしている」と感じることのできる、意味深な謎がのこります。結局王子はなんだったのか?わたしたちに待ち受ける「死」という運命は、本当は、別の星への移動に過ぎないのではないか?

そんな思いが残る本です。死んだ後に、わたしたちも、もしかすると星の王子様が旅した星へと、旅立つことができるかもしれませんね。ちなみに「星の王子様」は、原作では「le petit prince」=「小さな王子様」というタイトルです。

読書感想文の書き方のコツは?

読書感想文を前にして「どう書けばいいの??」と立ち止まってしまう子供はたくさんいます。小学生ならば尚のこと。

「ママ~どう書けばいいの?」と聞かれて困っているお母さんもたくさんいますよね。上手に教えられず、いつのまにか「お母さんの感想文」になってしまって子供の感想がなくなってしまうこともあります。

そうならないために、小学生の読書感想文の書き方のコツを簡単に紹介いたします。

3つの段階に分ける

読書感想文は、大体3つの構成で書いていきます。

読書感想文の書き方。
  1. 書き出し
    :本の作者さんや、その本を選んだ理由。そして簡単な内容を書きます。
  2. 好きなところ・印象に残ったところのあらすじ紹介と感想
    :その本の中の好きなところと印象に残ったところを書きます。「~~なところが怖かったです。」「~~なところが好きでした。」など、感想もそえて書いていきます。
  3. 本を読んだ後の自分の変化
    :「読む前は○○と思っていたけど、本当は△△なのだとわかりました。」とか「本を読んで、これからは人に優しくしようと思いました。」など、本を読む前と読んだ後の気持ちの変化を書きます。

      読書感想文を書くときの構成は、大体この3部構成でOKです。

      自由に書いてOK

      全国の「読書感想文コンクール」などで優勝する子の作文は、この構成を自分なりに組み替えて、印象深い文章構成をしています。感想文に書きなれてくると、1番の「書き出し」を飛ばして2番の「感想」や3番の「読んだ後の変化」を書き出しに持ってくる場合もあります。

      大切なのは「この本のここを伝えたい!」という、「人に伝えたい思い」を書くこと。それさえ文章から感じられれば、書き方など無視してもいいといえるくらいです。ぜひ本を読み込んで、好きになった内容を「みんなに教えてあげたい!」という熱意を持って書いてみてくださいね。

      >>読書感想文、中学生におすすめの本11選

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      蓮

      マンガもたくさん読めるよ。

      さいごに

      子どもの読書感想文は、夏休みの宿題としても「いやだ」「のこっている」などと難航することが多いですよね。「ママ~」なんて泣きつかれたときに、親としてどう対処すればいいのか悩みどころでもあります。

      本の世界はすばらしいものです。「本は面白い」ということを、子どもに伝えることのできるチャンスだとわりきり、読み聞かせや一緒に読むなどの経験を、母子でたのしんでいただければと思います。

      最後まで読んでくれてありがとうございました。