直木賞と芥川賞はいつもチェックしているけど、最近の直木賞は「当たり」続きです♪
こないだ読んだ「熱源」も読みごたえあって面白かったし(熱源あらすじ感想はこちら)心寂し川もすごく面白かった!
「心寂し川」は江戸時代の千駄木界隈の下町に生きる人々のお話です。
- 面白さ: (4.5 / 5)
- 読みやすさ: (5 / 5)
- 導入の引きこみ: (5 / 5)
- 読んだ後の満足感: (4 / 5)
- 読むのにかかった時間:40分
心寂し川のあらすじ
2021年の新しい本なので、ネタバレしすぎず簡潔なあらすじにしておきますね。かなり読みやすい本なので、手に取って読んでみてください♪
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第一章「心寂し川」
澱んだ汚い川の流れる下町にすむ”ちほ”は、針仕事を手伝って家計を助ける貧しい少女。結婚してこの町と実家から出ることを唯一の生きる希望としているが、意中の男性が…。
第二章「閨仏」
60代の爺さんが囲っている、醜い4人の愛人のお話。一番年長のおりきは、性の玩具である閨仏の先に、取りつかれたように仏の彫刻を掘り始め…。
第三章「はじめましょ」
気性の荒さから勤め先を首になった与吾蔵は、先輩の開く安い飯屋を継ぐことになった。ある時神社で仲良くなった幼い少女の母親が、昔の彼女だと知って…!
第四章「冬虫夏草」
元は日本橋の大きな薬屋のおかみだった吉は、下半身の不自由なわがまま息子とともに貧乏長屋へと越してきた。裕福な商家からの没落ぶりに周りは心配するが、不思議と吉は奇妙な満足感を得て、つつがなくくらしていた…。
第五章「明けぬ里」
葛葉は岡場所あがりの女性。うだつの上がらない亭主と喧嘩して、体を売って日銭を稼いでいた。ある時、かつて岡場所で最高と言われて見受けされた明里という名の美しい遊女に再会した。裕福な暮らしで幸せかと思いきや…。
第六章「灰の男」
長屋に住まう多くの人々をまとめる差配の茂十は、実は思惑があって心町にきたのだった。心町にホームレスのように住まう気の狂った爺さんを見張り続ける茂十。その過去に凄惨な事件が隠されていた…。
心寂し川の感想と見どころ
いまの千駄木界隈が舞台
今の東京の千駄木界隈のかつての姿がありありと浮かぶような描写がされているので、今の地形や街並みを思い浮かべながら、「江戸時代はあの辺が長屋とかだったのかなぁ?」と想像しやすかったです。千駄木は今でも60歳代の原宿と言われるほど愛されている土地。「心寂し川」を読んでちょっと歩いてみたくなりました♪
めっちゃ読みやすい
文学ってたまに「読んでいてしんどい」時がありますよね。固い文学ならなおの事。かといって、ライトノベルさながらの軽々の本を読んでも満足感が得られません。「心寂し川」は導入部分から途中経過、終盤まで一気に読めてしまう読みやすさがありながら、読み終わった後に「この本を読んだぜ!」と勲章で掲げたくなる「重さ」もしっかりと感じることができました。読むのにしんどい文学を読んだ後に感じる重厚感も感じられたんです。
江戸時代の庶民の暮らしがイキイキと書かれていたので、歴史書としても興味を惹かれるものがあったからでしょうか。「固い文学苦手」って方にもおすすめです。
江戸市民の内情が知れる
針仕事の需要や賃金、大店と呼ばれる店の内情や家族の役割り、1回の食事にかかる費用など、庶民の生活に根付いた江戸時代の暮らしが知れて面白かったです。江戸城大奥とかの話しはよくあるけど、庶民の話ってあまり見たことがなかったので新鮮でした。岡場所と吉原の遊郭の違いとかも「へ~?」って感じでした。四文銭での一食がどのくらの安さなのか、とか、そのための食材調達法なども読んでいて面白かったです。
水戸黄門とかみればこんな感じなのかな(笑)
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さいごに
私は年間20冊くらい本を読みますが、読む前はたいてい「うへぇ…めんどくせぇな」などと思って1ページ目を開きます。めんどくさいのになぜ読むかと言うと、読んだ後の満足感が大好きだからです。
辛い筋トレの後にすがすがしいそう快感を得られるのと同じで、せっせと読み貯めています。
人生で1000冊以上は読んできたと思うのだけど、恐ろしいのは「この本全く読む価値なかった…。」が中には含まれていることです。
だからポチポチと需要ありそうな本は、個人的にランク付けして記事にしているので、他の記事と合わせてぜひ参考にしていただければと思います♪